『父の花、咲く春』2013/04/04 01時17分

・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
見終わって、しばらく放心状態でした。
何というか、語彙の少ない私は「素晴らしいドラマ」としか表現できないのですが…。

冒頭から心を鷲掴みにされました。
自身が置かれている環境への苛立ちと孤独、将来に対する不安、どうしようもない苦しみが桐谷さん演じる次郎さんの目の動き、表情、声のトーン、丸まった背中から充分すぎるほど伝わってきて、苦しくなるほどでした。

痛々しさや切なさ、誰に向けられているわけでもない怒りのようなモノが伝わってきて、直視するのが辛くなるくらいの臨場感。
所々に挿入されるロケ地の風景もマッチして…。
また音楽が押さえた感じで、その保たれた距離感がkinako的には感動でした。




もう号泣しながら観たのですが、1時間すべてが見所。
こんなに凝縮されたドラマ…贅沢なドラマですね。
なかでも、置屋の女将さんと次郎さんとのシーンは……。
圧巻でした。
梅次を父と思ってもいいだろうか…と問う次郎さんに女将は
確かに、美知子さんと梅次さんが出会って次郎が生まれたのだと、
そして、その幼子は梅次さんに慈しまれて育ったことを話します。

恐る恐る鼓に手を触れた次郎さん。
封印していた幼い頃の記憶が蘇ります。
確かに自分は「父」の膝に抱かれ、笑っていた。
母も「父」も笑っていた…。
自分の周りには笑顔があった…。

次郎さんの心に溜まっていた澱が溶けた瞬間。

女将に「短い人生、あんたはいつ自分の花を咲かせるんや…」と諭されます。
血は繋がっていなくても、あんたは紛れもなく梅次の息子なんや…梅次の心根があんたの中には息づいているんや、と言っているような優しさに満ちた表情でした。
岩本多代さんの演技に心が洗われます。

病室を訪れ、「母ちゃんも梅次さんに会いたかったんやろ? 俺が会わせてやる」と言って舞いを披露する次郎さん。

次郎さんの吹っ切れたような表情や力を秘めた目、最後に幇間となった次郎さんの姿を目にしたときは、号泣しながらも、何か清々しさを覚えました。

厳しい冬を越し、最初に咲く梅の花。
父の花は今まさに「息子」次郎に受け継がれ、咲き始めようとしているんですね…。

次郎さんの背中はもう丸まっていません。
ピーンと伸びた背筋、梅次さんのように次郎さんもまた、あたたかな思いを周りの方に繋いでいく生き方をされるのでしょうね。

「幇間 梅次でございます」。
困難な中にも一筋の光…明日を生きるエネルギーを頂いたドラマでした。
笑えん人生でも 腐るより笑っていよう」……私もそうありたいと思います。
--------
それにしても桐谷健太さんという役者さんは、どれだけの引き出しをお持ちなんでしょうか!!!
どれだけ苦しみ・のたうちまわり・楽しみ、私たち視聴者に次郎さんを見せてくださっているのでしょうか。
次郎さんに魅せられた『父の花、咲く春』でした。

今さらながら、とんでもない・凄すぎる役者さんのファンになったものだ…と思い知らされたkinakoでした。

コメント

_ みき ― 2013/04/04 16:00

kinakoさん、こんにちは(^_^)
昨夜あれだけ号泣したのに、Blogを拝見して再び(。-_-。)
桐谷さんの次郎さん、凄かったですね!ドラマ初主演ということでワクワク・ドキドキしながらテレビの前で正座…。完全に参りました。暗く哀しい目をしたサンタの次郎さんを観た瞬間からの1時間が余りにもあっという間でした。
本当に心に沁みる素晴しいドラマでした。

何だか最近の私は感動しっぱなし(^_^;)先日、やっと映画「レ・ミゼラブル」を見てきました。仕方なくついてきた感の息子が、終演後、速攻でパンフレットを購入、そしてサントラまで予約(笑)。この素晴しい映画を観に行こうと思ったのもkinakoさんのBlogがきっかけでした。
本当に!いつもありがとうございますヾ(@⌒ー⌒@)ノ

_ ゆき ― 2013/04/04 17:22

kinakoさん、こんばんわ。
素晴らしいドラマ、演技でしたね。私が知ってる桐谷さんは
どこにいったのやら・・と思いました。(知ってるドラマは限られてますが・・・)。
私は、以前15年程前、岐阜に住んでましたので、懐かしい風景も
見ることができて、いろんな思いが込み上げてきました。
実際、私も母子家庭なので、息子が大きくなったら・・・なんて思いました。
脇役の方も良かったですね。桐谷さんの着物姿、似合いますね。
胸の中がほっこりと、またせつない、いい作品でした♡

_ みきさんへ ― 2013/04/06 21:43

みきさん☆こんばんは。

桐谷さんの演技、凄かったですよね!!
私、3日も経つのにまだ放心状態です。
ホームレスと空き缶と桐谷さんのシーン、桐谷さんの目があまりにも凄すぎて、哀しすぎて、直視できませんでした。

本当に心に沁みる素敵なドラマで、初主演がこういうドラマでよかった…としみじみ思っています。
次郎さんにいのちを吹き込んだ桐谷さんの演技に今でも心が震えます。

『レ・ミゼラブル』、ご覧になったのですね。
済んだ歌声、心に響きました。
いつか舞台を観たいな…と思っています。

_ ゆきさんへ ― 2013/04/06 21:49

ゆきさん☆こんばんは。

本当に素敵なドラマ、凄い演技でした。
キャストの皆さん、それぞれに心を打つ演技をされていましたよね。
主役が張れるのも周りの皆さんの演技があってこそですもの…そういう意味では最高のキャストだったと、素人ながらに感じています。

ゆきさん、岐阜に住んでいたことがあるんですね。
私も大学の時(あら、なんて大昔…)、岐阜大に通っていた友だちを訪ねたことがあります。
長良川、金華山…懐かしい青春の日々です(笑)。

_ ボラさんへ ― 2013/04/06 21:58

ボラさん☆こんばんは。

お忙しい中、コメントをいただきありがとう♪
理由が分かって安心しました~☆
体調が悪いのかしら…それともご家族のどなたかの健康が優れないのかしら…と、悪いことばかりが頭をよぎって…(涙)。
でも、そういう理由なら安心してお帰りをお待ちできます♪
ニースちゃんはよい子でお留守番ができるから良かったですね。

あ、感想の表現力…褒めてくださって、ありがとうございます。
理系人間だし、子どもの頃から文章を書くのが苦手でした。
だから、ボラさんに褒められて、とっても嬉しかったです~☆☆☆
ありがとぉ ← 大阪弁のアクセントで読んでね。

_ よぅこ ― 2013/05/21 14:06

はじめまして(^o^)私も、けんちゃんが大好きです。私は、まだ観てませんが…。 また、色々と情報を 楽しみにしています。お邪魔しました。

_ よぅこさんへ ― 2013/05/21 21:51

よぅこさん☆初めまして。

blogを見てくださって、そしてコメントをくださって、ありがとうございます♪
桐谷さん…素敵な人・俳優さんですよね。
男前でチャーミング、とても魅力的な方だと、握手会等でお目にかかる度に、思いを強くします。
握手会デビューまでは、ひっそりファンだったのですが、握手会で心を鷲掴みにされた後は、ファンを公言しています(笑)。

『父の花、咲く春』、地上波でも早く放送してほしいですよね。
時々、HNKさんのサイトに要望メールを送っていますが…。

でも☆でも、6月25日には、地上波の連ドラで、桐谷さんが観られます。そして、U・F・OのCMも新バージョンがOAされる予定ですよ。

楽しみが一杯な6月です。

不定期更新のこんなblogですが、お付き合いをよろしくお願いします♪

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://flying-kinko.asablo.jp/blog/2013/04/04/6767774/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。